古武術「ナンバ走り」
ジャイアンツの桑田投手が古武術を使って復活したことや、陸上の末続慎吾選手が「ナンバ走り」を応用したことにより、古武術を応用してスポーツに取り入れることが注目されるようになりました。
「ナンバ走り」とは腕と脚を上下同方向に振りながら走る、日本古来の走法をいいます。
江戸時代や明治時代の古い写真などを見ますとナンバ歩きやナンバ走りのような動作をしていたとみられます。毎日何十kmも走る飛脚たちがこの走法を使っていたといわれています。「ナンバ走り」は体にかかる負担が軽く、理に適っているからです。
飛脚を営む業者の多かった「難波」(なんば)に語源があるといわれています。
この動きは決して珍しいことではなく相撲のてっぽうやボクシングのジャブ、フェンシングの剣の突きなど日本だけでなく、西洋東洋を問わずいろいろなところで見られます。中国拳法や空手でも「ナンバ走り」のような動作はあります。
ナンバの動きそのものの原理を説明しますと、古武術の教えに「胸を割る」「背中を割る」「腰を割る」という言葉があります。これは身体の右半身と左半身を割るようにして動くということなのです。